2008新潟定期演奏会/東京交響楽団
2008年度定期演奏会
■第47回 2008/4/27(日)
■第48回 2008/5/18(日)
■第49回 2008/7/6(日)
■第50回 2008/10/19(日)
■第51回 2008/12/13(土)
■第52回 2009/3/1(日)
注目ポイント/見どころ
2008新潟定期演奏会 プログラム
新潟のクラシック音楽ファンに贈る多彩なオーケストラ音楽が楽しめる東響定期。来年度も聴き逃せないラインナップがそろいました。
第47回 2008/4/27(日)17:00開演
指揮/シャン・ジャン S席6,500円、A席5,500円、B席4,500円、C席3,500円、D席2,000円 |
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第48回 2008/5/18(日)17:00開演
指揮/ユベール・スダーン S席6,500円、A席5,500円、B席4,500円、C席3,500円、D席2,000円 |
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第49回 2008/7/6(日)17:00開演 指揮/金 聖響 S席7,000円、A席6,000円、B席5,000円、C席4,000円、D席2,000円
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「りゅーとぴあ開館10周年記念」 第50回 2008/10/19(日)17:00開演 指揮/ドミトリー・キタエンコ ♪チャイコフスキー:歌劇「エフゲニ・オネーギン」作品24より ポロネーズ S席7,000円、A席6,000円、B席5,000円、C席4,000円、D席2,000円
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第51回 2008/12/13(土)18:00開演 指揮/飯森範親 S席6,500円、A席5,500円、B席4,500円、C席3,500円、D席2,000円 |
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第52回 2009/3/1(日)17:00開演
指揮/大友直人 S席6,500円、A席5,500円、B席4,500円、C席3,500円、D席2,000円 |
2008年東響新潟定期の聴きどころ
東京交響楽団が準フランチャイズ・オーケストラとして新潟でお世話になってから早いもので9年の歳月が流れた。このりゅーとぴあがオープンした翌年から新潟定期が始まったが、最初に感動したのは舞台に楽団員が姿を見せるやいなや、温かく万来の拍手で迎えてくださったことである。楽団員というのは安月給にもかかわらず、日頃から歯を食いしばって音楽に対して真摯に取り組んでおり、彼らが最も勇気とやる気を起こさせる瞬間が、お客様からの拍手だからだ。
先日りゅーとぴあの担当者から2008年度の新潟定期の聴きどころと称して何か書くようにという要請を受けた。話をきいてみると都合6回のコンサートを2000字以内にまとめて書けという無理難題な注文だった。その上、内容はかなり学術的な知識が必要と思われ、学者じゃあるまいしオレには無理!と一度は断ろうかと躊躇した。だがここで拒絶すると男が廃るばかりか、かえって自分の無学ぶりが疑われることになるのではと思い直し、聴きどころなんてそれぞれ勝手に聴けばいいじゃないのと開き直ることにした。そうとなったら東響在籍45年のキャリアをフルに生かし、曲目や指揮者、ソリストの思い出など書けば何とかなるかなと、かなり無責任な気持ちから引き受けてしまった。
2008年度の最初は4月27日(第47回)、最近音楽に限らずあらゆる分野で世界中から注目されている中国から、若手女性指揮者の登場。名をシャン・ジャン(張弦)。現在ニューヨーク・フィルのアソシエイト・コンダクターとして、しかもシューシティ響(知らないが)の音楽監督だそうで、女性と見くびると案外コワ~イ指揮者だったりして・・・・。ヴァイオリンは今や伝説的ヴァイオリニストとして尊敬されているイダ・ヘンデル(オバサマ)の登場。2006年10月の東京オペラシティシリーズにおいて共演した時の感動的演奏は聴いた者を虜にした。曲目は彼女が最も得意とするベートーヴェン。乞うご期待!
5月18日(第48回)は、いぶし銀ユベール・スダーン、我が東響の音楽監督の登場だ。プログラムにはいかにもスダーンらしい渋い曲目が並んだ。最初がシューベルトの1番のシンフォニー、(誰か聴いたことある?)次がプロコフィエフの3番のピアノ協奏曲、ソリストはジルベルシュテイン。アバドと共演して世界的なレベルのピアニストとして折り紙つきだそうだが、それにしても、ちらしの写真はえらく別嬪に写っている。まさか賞味期限切れではないだろうなぁ~(失礼!)。メインもまたもやシューベルトの4番のシンフォニー、シューベルトが初めて交響曲作家として認められた名曲だ。「悲劇的」という副題がついているが、チケットの売り上げまで”悲劇的”にならないだろうな・・・・・。
7月6日(第49回)は人気若手指揮者として売り出し中の金聖響クンによるマーラーの「復活」。ソプラノ澤畑恵美さん、メゾ・ソプラノ竹本節子さん、合唱は待ってました!最近めきめき実力をつけてきたという評判の”にいがた東響コーラス”。聖響クンは最近結婚したが、そのお相手というのはご存知、女優のミムラさん、周囲から冷やかされつつ羨ましがられている。
10月19日(第50回)はドミトリー・キタエンコ氏。開館10周年記念公演は最も得意とする「チャイコフスキー・アーベント」だ。氏と東響は定期演奏会としては今回2度目の出合いながら、実は今から40年位前かと思うが、ソヴィエト連邦時代のボリショイバレエと一緒に来日、東響と約1ヶ月間全国あちこち公演しながら回った。キタエンコ氏は当時まったく無名だったにもかかわらず、バレエを指揮するセンスの良さに、さすがにソヴィエトというのは凄い国だと皆で話していたことを思い出す。そしてやはり彼は只者ではなかった。ヴァイオリンは1986年生まれの鍵冨弦太郎君。2003年第72回日本音楽コンクールを弱冠17歳で制覇した若手ヴァイオリニスト。人材豊富な日本ヴァイオリン界においても最も期待されている俊英だ。
12月12日(第51回)は、音楽界の大御所、女王、中村紘子さん登場!早くから天才少女としての誉れが高く、今や日本のピアニストの代名詞といっても過言ではなかろう。今回の曲目はベートーヴェンの第1番、どんな妙技を聴かせてくれるか期待に胸が躍る。指揮は新潟にもしばしば登場の当楽団正指揮者、飯森範親。このところの飯森の活躍には目を見張るものがあり、成長著しい彼のブラームス第2番はまさに聴きどころ。
最後は3月1日(第52回)、もはや若手ではなく、そろそろ老眼鏡でもかけようかという世代になり、その分音楽に幅と貫禄を感じさせる当楽団常任指揮者大友直人の登場。曲目は彼が得意としているイギリス作品。中でもエルガーは他の追従はゆるさないということになっている。行進曲「威風堂々」というと誰もが耳にしているのが1番だが、今回は敢えてめったにやらない2番も取り上げた勇気と真意に興味を感じる。
金山茂人(東京交響楽団最高顧問)
東響指揮者プロフィール
秋山 和慶/桂冠指揮者
1941年東京都生まれ。1964年東京交響楽団を指揮してデビューののち40年にわたり同団の音楽監督・常任指揮者を務め、現在は桂冠指揮者の地位にある。シェーンベルク:歌劇「モーゼとアロン」、ラッヘンマン:歌劇「マッチ売りの少女」などの現代の大作を卓抜したバトンテクニックで指揮、いずれも高い評価を得て、東京交響楽団を数々の受賞に導いた。これまでにサントリー音楽賞、大阪府民劇場賞、大阪芸術賞、芸術選奨文部大臣賞、東京交響楽団とともに毎日芸術賞、京都音楽賞大賞、モービル音楽賞などを受賞した。2001年紫綬褒章を受章。
ユベール・スダーン/音楽監督
1946年オランダ生まれ。ベルリン・フィル、ロンドン・フィル、ニューヨーク・フィルなどのオーケストラ、ザルツブルク音楽祭、プラハの春、ブルックナー・フェスティバルなど数々の音楽祭にも出演。フランス国立ペイ・ドゥ・ラ・ロアール管弦楽団の音楽監督、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団の首席指揮者を経て、2004年より東京交響楽団音楽監督に就任。古典からロマン派音楽のスペシャリストとしてオーケストラのアンサンブルを飛躍的に向上させた。2004年7月、ザルツブルク州ゴールデン勲章及びザルツブルク市名誉市民の栄誉を受けた。
大友 直人/常任指揮者
1958年東京都生まれ。1991年東京交響楽団正指揮者、2004年常任指揮者に就任。1992年から自らプロデュースする「東京芸術劇場シリーズ」を開始し、意欲的なプログラムを展開している。三枝成彰「忠臣蔵」、黛敏郎「古事記」(演奏会形式)、新国立劇場での三木稔「愛怨」など邦人オペラの初演は特筆される。近年では教育的活動にも力を注ぎ、こども定期演奏会では、指揮とともに司会を担当して好評を博している。2006年は東京交響楽団と、常任指揮者兼アドヴァイザーを務める京都市交響楽団の共演でシェーンベルク「グレの歌」を指揮した。
飯森 範親/正指揮者
1963年神奈川県生まれ。1993年東京交響楽団指揮者、2004年より東京交響楽団正指揮者に就任、現在に至る。海外ではフランクフルト放送響、チェコ・フィル、プラハ響、モスクワ放送響などから招聘されている。2001~2007年ドイツ、ヴュルテンベルク・フィルハーモニー管弦楽団の芸術監督兼首席指揮者(GMD)、現在は首席客演指揮者、また山形交響楽団音楽監督。定期演奏会や特別演奏会で数々の名演を残し、2005年第13回渡邉暁雄音楽基金音楽賞、2007年文部科学省芸術選奨新人賞、第25回中島健蔵音楽賞を受賞した。