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Special interview 八木大輔さん(第3回) – 夢は始まったばかり。ヨーロッパと日本で活躍するピアニストへ

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(C)アールアンフィニ

Special interview 八木大輔さん(第3回)

11月12日(金)に新潟公演 を行う八木大輔さん。インタビュー第3回をお届けします。(第1回) (第2回)はこちら
一時はピアノを辞めたいとまで思った八木さんが、今日まで歩みを進めてこれた理由とは。八木さんの将来の夢とあわせてお聞きしました。

 

 ―理系に進む道もあるのかなと思いますが、ピアノを辞めようと思ったことは?

八木さん 実は2回あります。まずは中学1年生のとき。国内のコンクールをいくつか受けても結果が出ず、「中学生でピアノは辞めよう」と思いました。しかし最後のつもりで受けたオーディションで黒田亜樹先生と出会い、考えが一変しました。先生の導きで受けたイタリアでの国際コンクールで充実した演奏をすることができ、手ごたえを感じてピアノを続けました。

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黒田亜樹先生との出会いが八木さんとピアノを繋ぎとめた

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中学3年生の頃、オーケストラと演奏

 

―もう1回は?

八木さん つい最近(笑)。コロナ禍で1年半も演奏機会に恵まれず、練習もはかどらなくなり、再び辞めてしまおうかと。それでも先日、8月下旬から9月初旬にかけてコンクールを受けるためにイタリアとドイツへ単独で行きました。再びヨーロッパの風土に触れたところ、自分の音楽が有機的になり、命をもらった感覚になったんですよね。演奏していても、音楽が人々のコミュニケーションの手段になっていることを強く実感できて。1年以上も人と音楽で繋がれなかったので、なおさら嬉しかったです。充実した日々を過ごした結果、ドイツのアーヘンで開催された「モツアルテ国際ピアノコンクール」において最高位(1位なしの2位)になることができました。受賞者の中で10代は僕だけでした。

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ドイツ「モツアルテ国際ピアノコンクール」で最高位に輝く

 

―ヨーロッパが転機になっていますね。今後の夢は?

八木さん 自分はヨーロッパが大好きなので、そこを拠点に音楽活動をやっていけたらと。特にイタリアが好きですね。イタリアには、りゅーとぴあのような素晴らしいコンサートホールは少なく、ピアノのコンディションがあまりよくない劇場が多いです。それでもなぜ行きたいかと言われれば、伝統、空気、そしてお客様の温かさに惹かれるからです。表現が難しいですが、ヨーロッパで音楽家として生きていくことは、日本とはまたベクトルが違うような気がします。そうはいっても、生まれ故郷の日本もやはり好きです。新潟や今日の三重のような素敵な会館が全国にあることは大変素晴らしいことだと思います。だからヨーロッパと日本で活躍できるピアニストになりたいです。

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ヨーロッパの風土に触れて、音楽に命を吹き込まれた

 

―最後にりゅーとぴあの印象と、新潟のお客様へメッセージを。

八木さん 今回、りゅーとぴあの1コイン・コンサートに選んでいただいたきっかけは、自らの強い思いからでした。コロナ禍で音楽スタッフの方々が県外に出られない、自分の演奏を東京では聴いていただけないと聞き、ならば自分が新潟へ行くので試演会をさせて欲しいと思い至りました。昨年9月5日(土)でしたね。あれから約1年、また日本屈指の名ホールで、しかも今度はお客様の前で演奏できることが夢のようです。今からとても楽しみにしています。

新潟の1コイン・コンサートのお客様は、ご自身のお子さんやお孫さんを応援するかのような温かな気持ちで、毎回若いアーティストの演奏を熱心に聴いてくださると伺っています。その期待に応えられるよう、精一杯の僕の音楽をお届けしたいと思います。ぜひ、りゅーとぴあへお越しください。

 

Special interview(第1回) (第2回)はこちら

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