りゅーとぴあ広報スタッフの「Concert Report」 Vol.1
2022年5月29日(日)開催「東京交響楽団 第125回新潟定期演奏会」
豪華絢爛‟3大協奏曲”
新年度の幕開けを飾る豪華な演奏会に息を飲む!
2022年度の「東京交響楽団 新潟定期演奏会」がスタートしました。
新潟で行われる全6回の定期演奏会は、東京交響楽団が主催するサントリーホール定期、東京オペラシティシリーズ、川崎名曲全集等で演奏したプログラムを翌日に新潟でお届けすることが多いのですが、今回は新潟だけの特別プログラム。新年度のオープニングを飾るにふさわしい、人気の3大協奏曲を一挙にお届けする‟豪華絢爛“な定期演奏会となりました!
前田妃奈(ヴァイオリン)
最初に登場したのは、ヴァイオリン界の新星・前田妃奈さん。曲目はメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲。個人的な意見ですが、この曲ほどヴァイオリニスト泣かせの冒頭もないのではと感じています。というのも、誰もが知る「名旋律」なので絶対に外せない、オーケストラの前奏がほとんどなく、すぐに弾き出さないといけない、出たら出たで極度の緊張を強いられる高音の連続。しかし前田さんの清冽な美しさが香る澄んだ音色は、この曲にジャストフィット!一音目から聴衆をグッと引きこみ、その後もみずみずしい感性と卓越したテクニックで、新潟のお客様を最後まで魅了し続けました。ぜひまたりゅーとぴあに帰ってきて、演奏を聴かせていただきたいです。
福間洸太朗(ピアノ)
2人目は人気のピアニスト・福間洸太朗さん。冒頭が印象的なグリーグのピアノ協奏曲。「ああ、もっと早く福間さんに出会っていればよかった!」と大変後悔しました。タッチがなめらかで気品が漂い、それに加えて絶妙なペダルコントロール。いつも聴いているはずのりゅーとぴあのピアノ、名器スタインウェイから信じられないくらい多くの種類の音を引き出していました。さらに特筆すべきは、指揮者やオーケストラとの丁々発止の駆け引き!「ここぞ」の場面での推進力や打鍵の強さが圧巻。「協奏曲」という名にふさわしい華やかさとスリルを、存分に堪能することができました。
宮田大(チェロ)
ラストを飾ったのは、日本人チェリストの代表格である宮田大さん!ドヴォルザークのチェロ協奏曲といえばテューバまで入るほどオーケストラの編成が大きく、「協奏曲」と言うよりも「交響曲」の風格が漂う作品。もちろん難曲中の難曲ですが、この日の演奏は「神業」の一言。宮田さんの重厚で揺るぎない構成力と繊細な感性。「剛柔の見事な調和」とは、このような演奏のことを指すのだなと…。いつ聴いても宮田さんの演奏は完璧で、何度聴いてもまた聴きたくなるチェリストです。このようなアーティストと同時代を生きることができて本当に幸せです。
そしてこのお三方の妙技を見事に引き出された指揮者の太田弦さんと、東京交響楽団のサウンド、特にフルートの濱崎さん、クラリネットのエマニュエル・ヌヴーさん、そしてオーボエの荒さんといった木管楽器奏者の方々が大変素晴らしく印象的でした。
なお太田弦さんは、今年8月の「ジュニアオーケストラ・フェスティバル 2022 in NIIGATA」にもお越しになり、仙台ジュニアオーケストラと共にガーシュウィン作曲「パリのアメリカ人」を披露する予定です。こちらも乞うご期待です!
今回ご来場いただいた皆様には、心からの感謝を申し上げます。また残念ながらご来場いただけなかった方も、次の機会にはぜひこの幸福を味わっていただきたいです。次回の「東京交響楽団 第126回新潟定期演奏会」は、「これぞオーケストラの醍醐味!」とも言うべき、大編成・大スペクタクルのストラヴィンスキー「火の鳥」(1910年版)をお贈りします。
ぜひりゅーとぴあへ足を運びください。
【広報スタッフ Nより】