石本酒造 代表取締役 石本龍則さまインタビュー【第1回】越乃寒梅で有名な石本酒造。はじまりは酒蔵ではなかった?!
明治40年創業で今年115周年。世界に誇る新潟のブランド 石本酒造。りゅーとぴあ初のホールスポンサーになってくださり、はや2年以上が経ちました。石本酒造とはどのような会社なのか。そして、文化事業を支えてくださる思いは何か。代表取締役 石本龍則さまにお話を聞きました。
インタビュー第2回は こちら から。
【第1回】 越乃寒梅で有名な石本酒造。はじまりは酒蔵ではなかった?!
――石本社長、よろしくお願いします。まずは会社のことを教えてください。
石本社長:石本酒造は新潟市のほぼ真ん中、亀田郷にあります。
阿賀野川、信濃川と、その2つを結ぶ小阿賀野川に囲まれた砂丘地が越乃寒梅のふるさとです。豊かな良水と冬の雪に恵まれた、まさに酒造りの好適地と言えますね。
亀田郷は江戸時代から「藤五郎梅」の名産地と言われてきました。まだ雪が残る初春に、凛と咲く梅の花が「越乃寒梅」の名前の由来となっています。
…そんな私たちですが、もともとは酒蔵ではなく、別の商売をしていたのをご存じですか?
――え?それは知りませんでした!
石本社長:私が生まれるずっと前の話ですが、紙やろうそくを京都から仕入れて販売していたようです。その傍らでお酒を造っていたんですね。
大きくはないけれど地主でもあったので、周囲の農家の方々にお米を作ってもらい、そのお米でお酒を造っていました。「仕事の疲れをお酒で癒してもらいたい」。きっと、そのような思いがあったのではと想像します。
石本酒造外観。老舗の風格が漂う。
――地域のことを考えてきた会社なのですね。
石本社長:身近な人に喜んでもらうのは一番大切なことですからね。
「農作業に励む亀田の人々に喜んでもらえる酒を造る」という私たちの原点は、今日の石本酒造にしっかりと生きています。どれだけ規模が大きくなっても、世界に販路を広げても、地元を思う気持ちは変わることがありません。
――創業の精神を脈々と受け継いできました。
石本社長:そうですね。ちょっと私の先代の話をしましょうか。
私の曾祖父、祖父の時代は、良いものをつくって地域に提供することが、そのまま人の喜びにつながりました。だから戦後に物資が少ない中にあっても、原料にこだわり、人や設備を整えていったわけです。
父の時代、お酒の淡麗な味わいにより磨きをかけました。お米のうまみを感じられる酒造りを追求しました。
そして私の代では、新商品の開発はもちろん、お酒のある幸福な時間・場所の提供など、時代の変化にあわせて表現方法を変えていっています。
創業者 石本龍蔵。石本社長の曾祖父にあたる。
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