石本酒造 代表取締役 石本龍則さまインタビュー【第2回】石本酒造の仕事は、人の幸福をつないでいく最高の仕事。
石本酒造 代表取締役 石本龍則さまインタビュー。第1回/第3回はこちらから。
【第2回】 石本酒造の仕事は、人の幸福をつないでいく最高の仕事。
――先日ホテルオークラ東京で新商品の発表を行いました。
石本社長:新商品「浹(amane)」ですね。俳優の小泉孝太郎さんとソムリエの田崎真也さんにご登壇いただき、試飲や料理とのペアリングをしました。
2016年に45年ぶりに新商品「越乃寒梅 灑(sai)」を、2022年に「浹(amane)」を発売したわけですが、実はこういった展開は最近まで行っていなかったのですよ。
2022年10月20日に行った新商品発表会。俳優の小泉孝太郎さん、ソムリエの田崎真也さんと。
――どうして石本社長の代で次々と新商品を?
石本社長:時代が変わり、お酒に触れる機会が減っています。
40代、50代の方は越乃寒梅を知っているけれど、若い人は飲む機会が少なくなってきた。核家族化が進み、飲ませてくれる年配が身近にいなくなっているのです。
そのような中で私たちが発表した新商品は、普段あまり日本酒を飲まない方も手を伸ばしやすいものになっています。しっとりとやわらかで、素直な飲み口が特徴です。
この商品からお酒の経験をはじめてもらって、他のラインナップに進んでほしいなと。「浹(広く行き渡る)」の名のとおり、たくさんの方に楽しんでいただきたいです。
――日本酒の初めの一歩を作っていたのですね。どこか文化芸術と似ている気がします。
石本社長:確かに。これまで馴染みのなかったものを普及させたい、その思いは共通です。
それともう一つ、どちらも生活の必需品ではありませんが、あると生きる喜びが倍増する素敵な仕事です。私たちは、仕事を通して人の幸福をつなぎたいと考えていて、きっと通じるところがあると思います。
舞台芸術の世界でも、演者と観客が共鳴し合う瞬間がありますが、お酒の造り手とお客様との関係もよく似ていると思います。
――お酒を楽しむ場の提供もされてきましたね。越乃寒梅直営のレストラン、大好きでした。
石本社長:日本料理「きた山」とフレンチレストラン「Manjia」ですね。残念ながら2019年に閉店しましたが、15年間古町で多くの皆さまにご来店いただきました。
適切な価格で、しっかりと品質管理された越乃寒梅を、新潟の美味とともに味わってもらいたい。そんな思いで始めたお店でした。婚礼の顔合わせで使っていただいたり、歌手のお客様がミニライブを開いてくださったり、お酒の愛好家の方が全種類の越乃寒梅を試してくださったり、思い出は尽きません。
寒梅で蒸した桜鯛の炙り焼き。濃厚な酒粕入り白ワインソースでいただく。
――「きた山」の越乃寒梅しゃぶしゃぶの味が忘れられません。
石本社長:ありがとうございます。実はあのメニューは、私が子どもの頃から食べていた家庭料理なんですよ(笑)。
研究用などで余ったお酒を使っていたのですが、普通に大吟醸を鍋に入れることもありました。それがあまりに美味しいものですから、ぜひお客様にも食べてもらいたいと。
新潟ブランド豚×越乃寒梅。ここでしか生まれない感動の組み合わせだ。
石本社長:石本家では代々料理酒にも越乃寒梅を使ってきました。来客があった際も、越乃寒梅で作った料理とともに、冬は燗をつけてお出しします。
良いお酒は料理酒として使っても食材のパフォーマンスを最大限に引き出します。私の祖父もよく言っていました。「料理もいいお酒を使うと美味しくなる。それが最高の贅沢だ」と。
実は、冬期間のみ、越乃寒梅しゃぶしゃぶをインターネットのお取り寄せでご購入いただけます。もしよろしければ、サイトをのぞいてみてください。
https://koshinokanbai.co.jp/shabu-shabu/