危ないピアニストが気になって
―― 音楽企画課のNさんにお話しをお聞きします。よろしくお願いします。
Nさん よろしくお願いします。
―― いよいよ春到来ですね。春といえば「1コイン・コンサート」が始まります。
Nさん はい。4月から12月まで計7公演をご用意して、皆様のご来場をお待ちしています。特に今年はりゅーとぴあ開館20周年ですからね。気合いを入れてアーティストを選びました。
―― 7公演?いつもは年6回ですが、1公演多くないですか。
Nさん 4月28日(土)に開催する「鬼才と俊才“ピアノ”」は、1コイン・コンサート初となる11:30と15:00からの、1日2回開催です。しかもこの2回は内容が異なるので、全7公演となります。
―― なるほど。では早速4月の公演についてご紹介いただけますか?
Nさん 今回、1日2回開催を行うにあたり、同じ内容にはしたくないなと。そこで、米津真浩(よねづただひろ)さんと小瀧俊治(こたきとしはる)さんという、実力と端正な容姿を兼ね備えた若手ピアニスト2人をお招きしました。
1回目は、前半30分を米津真浩さんのソロで、後半30分を2人による連弾で。また2回目は、前半を小瀧俊治さんのソロで、後半を2人の連弾でお贈りします。さらに連弾曲も、一部重なる曲はあるものの、1回目と2回目で異なる作品を演奏します。
米津真浩 ©Shigeto Imura
―― 1日りゅーとぴあで過ごして、どちらも聴きたくなりますね。ところでNさん、1コインに招かれるアーティストを必ず事前に聴かれていますが、今回はいつ頃聴かれました?
Nさん 昨年8月に東京で、米津さんのリサイタルを聴きました。実は彼のキャッチコピーが「危ないピアニスト、米津真浩」だったもので…。どう危ないのか気になって仕方なくなり、気がつけばホールの客席にいました(笑)。
―― どう危なかったのですか?やはり身なりも音も尖っていた?
Nさん それが拍子抜けするくらいに「危なくないピアニスト」で。人となりはイケメン、爽やか、トークも真摯。おまけに音色は極上に綺麗で繊細。「なぜ危ないのか?」公演中ずっと考えていたのですが、最後まで聴いてようやく分かりました、その意味が。
―― どんな意味ですか。気になります。
Nさん 聴き終わると、心をわしづかみにされていたのです。音色の綺麗さ、多彩さはもちろん、天性の才能だと思いますが指がとてつもなくよく回るので、難しい旋律もいとも簡単に弾きこなせる。だからこそ聴く側も、音楽に没頭しやすい。「人の心を、真摯な音楽で虜にする」という意味で、「危ないピアニスト」だと理解しました。ただ、僕としては「危ないピアニストは言い過ぎかな」と。そこで「鬼の才能」と書いて「鬼才」というコピーにしました。
小瀧俊治
―― 小瀧さんはどちらで聴かれましたか?
Nさん 米津さんのリサイタルのシークレットゲストが、小瀧さんだったんです。小瀧さんは2013年よりX JAPANのToshlさんのサポートメンバーとして数多くのライブやメディアに出演され、ジャンルを超えた活動で注目を集めています。
リサイタルでは米津さんと小瀧さんの連弾を聴くことができたのですが、このクオリティとまるで一人で弾いているかのような一体感と親密感がすばらしくて。さらには視覚的にも楽しめるパフォーマンスも用意していました。今度は気がつけば楽屋の前にいまして、終演後すぐに二人へ1コインのオファーをしていました!(笑)
―― Nさん、意識はしっかり持ちましょう。最後にどんな作品を演奏するのか、教えてください。
Nさん 米津さんのソロは、得意のショパンとドビュッシーを中心に。女性のお客様が大好きな「ノクターン第2番」や「月の光」を演奏します。
一方、小瀧さんのソロは、ラフマニノフの鐘、ショパンのバラード1番、リストの愛の夢など多彩な作曲家が並びます。また連弾では、剣の舞やカルメン幻想曲など、とにかく激しい作品が並びます。連弾ならではの大迫力を感じていただけるはずです。
―― 危ないピアニスト、そして端正なルックス、さらにソロに連弾にと、これは行きたくなりますね。ありがとうございました。