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笑いで、涙で人々を勇気づけてきた、魅惑の懐メロ音楽ショーが3年ぶりの復活!

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ホルンで情感豊かに奏でられるのは、昭和を彩った名曲の数々。柔らかく温かな音色に乗って、あの頃の思い出が頭の中に流れてくるようです。東京交響楽団の首席奏者である大野雄太と上間義之、2人のホルンの名手によって生まれたこの企画は、全国各地で好評を博し、多くの観客に笑いを、涙を、そして“勇気”を届けてきました。
伝説のファイナルから約3年、「ホルンで奏でる紅白歌合戦」が待望の復活を遂げます。

《日本で唯一!?ホルン×昭和歌謡の新感覚エンターテインメント》

―― 8/4(土)開催、帰ってきた「ホルンで奏でる紅白歌合戦」2018に出演する、紅組キャプテンの大野雄太さんにお話を伺います。「ホルン紅白」が3年ぶりの復活ですね。待ち望んでいたファンも多いのでは?

大野さん あの笑いはクセになるみたいで、ありがたいことに「ぜひもう一度」の声を沢山いただきました。それと、りゅーとぴあは今年20周年ですからね。「僕たちが祝わなくて誰が祝う!」という気持ちもあって復活を決めました。

―― ありがとうございます。公演では、誰もが知る昭和歌謡の名曲を30曲近くも演奏します。曲目はどうやって決めているのですか?

大野さん 実は、カラオケ店で選曲会議を行っているんです(笑)。僕も上間さん(白組キャプテン)も昭和生まれ。幼い頃から当時の歌番組や昭和歌謡に慣れ親しんでいて、好きな曲も多い。最後は選曲そっちのけで、カラオケに夢中になっています。

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―― 今回、昭和歌謡好きのお二人はどんな曲を演奏するのでしょう?

大野さん 松田聖子さんの「瞳はダイアモンド」や、布施明さんの「霧の摩周湖」などが初披露となります。もちろん、新潟と言えば小林幸子さんが外せませんよね。代表曲「おもいで酒」など、「ホルン紅白」おなじみの曲も演奏しますよ。

また今回は、5月に亡くなられた西城秀樹さんを追悼するコーナーを設けました。「ヤングマン」から「走れ正直者」まで、西城さんのヒット曲には幅広い世代から愛される名作が数多くそろっていますが、その中から3曲をお贈りします。ぜひ楽しみにしていてください。

―― それにしてもポップスから演歌まで、よくホルンで吹けますね。

大野さん それ、褒めてます?(笑)ありがとうございます。例えば同じ演歌でも、歌手1人1人、“こぶし”の出し方が違いますよね。演奏する時は、それぞれの“こぶし”を再現するなど、かなり細かいところまでこだわっているんです。“本人が歌っているように吹く”というのがこの企画の面白さですし、似てないとファンの方も納得しないですからね。

それがきっかけで、新奏法が生まれたこともありました。森進一さんのかすれた声を表現するために、スーパーのビニール袋をホルンのベルに突っ込んでみたら、あの独特の雰囲気が出た。まさに、“必要は発明の母”。クラシック音楽だけを演奏していては決して生まれなかった奏法だと思います。

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過去公演より。白組キャプテンの上間さんが着流しで村田英雄さんの曲を演奏

―― 「ホルン紅白」といえば派手な衣装も見どころです。どこで購入しているんですか?

大野さん 通販を利用することもありますが、リサイクルショップで掘り出し物を見つけることが多いです。「こんな衣装よく買ったな!」「売るとき恥ずかしくなかったのかな」と思いながら購入しています。山本リンダさんの「狙い撃ち」で着る衣装なんて、放送ギリギリですよね。放送しないから良いのですが。

―― もう1つ、語る上で欠かせないのがダンスですよね。あの動きは、かなり練習しないとできないのでは?

大野さん そうなんです。ダンスは結構力を入れている部分。演奏しながら踊りますし、何なら“ダンス重視でホルンを吹かないパート”だってあるくらいです。

僕には0歳と4歳の娘がいるのですが、子どもをあやすときは歌いながら踊って、練習代わりにしています。ずっと上の娘も一緒に踊ってくれていたのですが、最近踊ってくれなくなって……。「なんで?」って聞いたら、「恥ずかしいから」だって(笑)。

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過去公演より。ピンク・レディー「UFO」では一糸乱れぬユニゾンダンスを披露

―― 多彩な曲目に衣装、ダンスと、どれも魅力的ですが、そもそもホルンをここまで堪能できる企画ってほかにありませんよね。

大野さん ホルンは本来、伴奏を担当することの多い楽器です。音楽の専門書にも、「ホルンはハーモニー楽器(複数の高さの音を重ねて、主旋律を引き立たせたり調和させたりする役割を担う楽器)なので、2人で1本の楽器です」と書いてある。それがソロを、ましてや歌謡曲を吹くなんて、日本ではこの企画以外ありえないのではないでしょうか。

「ホルンってどんな楽器?」と聞かれた時、僕は“接着剤”と答えています。例えば、“ハンバーグのつなぎ(=卵)”。ハンバーグをよりおいしく作るための名脇役として影に隠れているけど、卵そのものが主役になることもできますよね。あらためて“卵だけのおいしさ”を楽しんでもらえる、それが「ホルン紅白」です。しかも、卵焼き、目玉焼き、スクランブルエッグ……と、卵がいろいろな食べ方で楽しめるのと同じように、「ホルン紅白」ではホルンの多彩な魅力を余すことなくご堪能いただけます。

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《きっかけは、震災復興。優しく温かな音色が、人々の心を溶かした》

―― ところで、「ホルン紅白」が始まったきっかけは?

大野さん きっかけは、2011年の東日本大震災。災害のあと、日本全国が暗い雰囲気に包まれていました。そんな時、僕が所属する東京交響楽団の地元・川崎市の中原区から、白組キャプテンの上間さんに「区役所の中でコンサートをやってほしい」と依頼が来たんです。そこで、元々温めていた「ホルン紅白」のアイデアを2人でやってみようということになりました。

そのコンサートには、子育て世代からお年寄りまで大勢の観客が来てくれて、とても良い雰囲気で。辛い出来事のあとでしたが、みんな笑顔になってくれたんです。偶然、その様子を見ていたりゅーとぴあのスタッフがすぐさまオファーを出してくれて、公共ホールとして初めて、りゅーとぴあで「ホルン紅白」を開催することになりました。

―― 中原区の他にも、チャリティで訪れた場所はありますか?

大野さん 父の実家が岩手県の大槌町という震災被害の大きかった場所にあり、そこへも行きました。当時はまだ、震災の爪痕が生々しく残っていた頃。被災者の方から、「チャリティはありがたいが、救われるわけでもない」と言われたことがありました。

しかし数年後、「ホルン紅白」を引っさげて再び大槌町を訪れたら、その方が涙ながらに喜んでくれて「あの時、本当は嬉しかったんだよ」と。この企画を続けていて良かったなと、心から思いましたね。

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―― 「ホルン紅白」は、これまでに多くの人を勇気づけてきたのですね。

大野さん 福島県・郡山市の仮設住宅団地に「おたがいさまセンター」という施設があって、そこでのコンサートが印象的でした。僕たちが行くとものすごく喜んでくれて、1週間くらいは「ホルン紅白」の話題で持ち切りになるんです!やっぱり現地へ行くのが一番だと、痛感した瞬間でした。

僕たち自身も、「ホルン紅白」を通して励まされる部分がありました。音楽って“タイムマシーン”のようなもので、曲を聴いた当時を思い出しますよね。僕は子どもの頃、母親と一緒に「ザ・ベストテン」を見ていた時の記憶が蘇りました。母と一緒にテレビを観たこと。その最中に、焼き芋を買いに走ったこと。ずっと忘れていた些細な幸せを思い出して、温かい気持ちになれるんですよ。

―― 最後に、新潟の皆さんにメッセージをお願いします。

大野さん 笑っても、泣いても、歌っても、どんな楽しみ方をしてもいいコンサートです。家族や友人同士など、大切な方と素敵な音楽の時間を、そして在りし日の思い出を共有しに、ぜひいらしてください。

僕は、東響の定期演奏会で年に6回新潟を訪れますが、毎回とても楽しみで。レンタサイクルを借りて走ったり、ピアBandaiでお寿司を食べたり、万代シティバスセンターの名物カレーを食べたり。新潟が大好きですし、いつも満喫しています。
コンサート当日、たくさんのお客様とお会いできることを楽しみにしています!

―― 大野さん、素敵なお話をありがとうございました!

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