KUNIO10「更地」の魅力をお届け!スタッフが一足先に観劇しました
10月9日(土)に京都で幕を開けたKUNIO10「更地」。りゅーとぴあスタッフが一足先に作品を鑑賞しました! 10月30日(土)に、りゅーとぴあ・劇場で上演される南沢奈央×濱田龍臣 KUNIO10「更地」の魅力をお伝えします!
舞台は上演前から始まっている
―上演前から始まっている、とはどういうことでしょう。
言葉のままですね(笑)。私が開演の5分前に会場に入った時、すでに物語が始まっている感覚になったんです。作品をご覧になる方には、ぜひ早めに劇場にお越しいただきたいと思います。
太田省吾への溢れるリスペクトを感じました
―演出の杉原邦生さんは太田省吾さんの教え子であり、演出助手などもつとめていたと伺っています。
太田省吾さんの作品はオリジナル性が強く、なかなか他の人が手をだしにくいのではないかと思います。観客の中には太田省吾さんによる上演を観たことがある方もいらっしゃるでしょうし。その中で杉原邦生さんは果敢に『更地』に向かっていっている。作品を大切にした上で、丁寧にいろんな工夫をほどこしている。太田さんへの溢れるリスペクトを感じました。あらためて太田作品の上演に接して、私自身が太田省吾作品を好きだったんだなと再確認できたのもうれしかったです。
―どのようなところに魅了されましたか?
まず舞台装置から意表を突かれます。また、その舞台美術が大きく変化していく様が、シンプルだけどとても美しい。観劇中に何度か、はっとするシーンがありました。若い俳優二人のキャスティングも、全体として大きな仕掛けになっていると思います。
いろいろな要素を詰め込むのではなく、引き算されている舞台だなと思いました。空間にも時間にも余白が多いというか。とつとつと語られるセリフの、“語られていない向こう側”を想像してしまう。舞台からは目が離せないのですが、観劇の間にいろんなことを思い出したりしていました。昔住んでいた家の、細かい壁の染みや、犬小屋の様子やらが不意に浮かんでくる。作品に触発されて、自分の過去の記憶が引き出されているような不思議な時間を過ごしました。
華のある役者たちによる二人芝居
―今作、出演が南沢奈央さんと濱田龍臣さんです。
とても魅力的なお二人です。戯曲上は初老の夫婦という設定で実年齢とはかなり離れていると思うのですが、それが逆に時間軸を超えた不思議な感じがしてきました。二人ともしっかり作品に溶け込んでいて、舞台上でそれぞれに存在感がある。広い舞台に二人だけというある種過酷な状況におかれながら輝いているように思いました。本当に、期待以上でした。
―作品をこれから楽しむお客様に向けてメッセージをお願いします。
それぞれの持つ記憶が投影されていくような作品なので、それぞれに印象に残るシーンも違ってくる。劇場という空間にひたって、体験ごと味わって欲しいです。
南沢奈央×濱田龍臣 KUNIO10『更地』
開催日時:2021年10月30日(土)15:00 (開場 14:30)
※この公演は国および新潟県、新潟市のガイドラインに基づき、客席制限は行わずに開催いたします。
会場:劇場
チケット:全席指定 5,800円
U25 2,500円
※公演時25歳以下の方を対象(未就学児を除く)
※ご入場時に年齢がわかるものをご提示ください