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Special interview 三宅弘城 80歳、90歳まで鎌塚氏であり続けたい。

天海祐希さん扮する女主人と完璧なる執事・鎌塚アカシがタッグ
豪華キャストの極上ホラー・コメディーをお見逃しなく!

完璧なる執事・鎌塚アカシが、個性あふれる周囲の人々に振り回されながらも職務を全うしようと奮闘する人気コメディー舞台『鎌塚氏』シリーズ。2011年の第1弾から主演・鎌塚アカシを生き生きと演じ続ける俳優・三宅弘城さんに、最新作第7弾『鎌塚氏、震えあがる』の見どころや、この役にかける意気込みを伺いました。

 

 

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――1988年の舞台デビューから40年弱、数多くの作品に出演されていますが、ターニングポイントになった舞台は。

 劇団☆新感線の看板俳優・高田聖子さんが、さまざまな作家、演出家、役者と組んで新感線とは違う試みをするユニット「月影十番勝負」の1997年公演『河童』です。ケラリーノ・サンドロヴィッチさん以外の演出家との初めての舞台でした。この作品から外部劇団の作品に出演することも増え、活動の幅が大きく広がりましたね。『河童』演出はラサール石井さんでしたが、芸人で俳優ですから、役の手本として目の前で見せてくれる動きやセリフ回しが、まさに笑いの基本でありコメディーの王道。勉強になりましたねえ。

――今回は『鎌塚氏』シリーズ初のホラー・コメディー。天海祐希さんはじめ、豪華キャストがそろいました。

 天海さんとは2018年の劇団☆新感線『修羅天魔~髑髏城の七人 Season極』で初共演。同じ学年と分かって親しくなり、他の友だちも交えて食事に行ったりしているのですが、「鎌塚氏シリーズ、私も出演したい」と以前から言われていたんです。「あの天海祐希がそんなことを本気で言うはずがない」と作・演出の倉持裕さんは半信半疑だったそうですが、今回、ついにご縁があって実現しました。幽霊屋敷と呼ばれる邸宅の女主人・大御門カグラを演じ、鎌塚アカシは怪奇現象におびえながらも、執事として体を張ってお仕えします。

――第7弾『鎌塚氏、震えあがる』もこれまで同様、見どころ満載になりそうですね。

第1弾はお屋敷、その後は船、雪山、列車と場所や設定が変化してきましたが、第7弾でホラーという新ジャンルが加わりました。不可思議なことが頻発するお屋敷での物語ですし、これまでのテイストとは違い、舞台の仕掛けもダイナミックになるかもしれません。天海さん以外のキャラクターも、演じるキャストもくせ者ぞろい。丁々発止のやりとりをお楽しみいただけると思います。ご期待ください。

――舞台だけでなく映画やドラマ、そして音楽と幅広いフィールドで活動されていますが、演じる上で心がけていることはありますか? また、鎌塚氏という役への思いは。

 映像にしろ舞台にしろフィクションです。嘘の世界。だからこそ、「本気でそこにいよう」としています。どんな役であろうと、嘘をつかずにその空気の中に在ること、それがモットーです。2011年から定期的に、鎌塚氏として舞台で生きてきましたが、飽きることはありません。80歳、90歳まで鎌塚氏であり続けたい。だって、執事って歳を重ねてもできることがある仕事じゃないですか。どんな年齢になっても「完璧なる執事」を目指します。

――新潟のお客さまへメッセージをお願いします。

 新潟は仕事で何度も訪れていますが、何を食べても「正解」の味。りゅーとぴあの空中庭園が好きなので、公演のある5月にはお弁当を持って行って食べたいですね。新潟はお弁当の冷えたご飯もおいしいです(笑)。シリーズを見続けてくださった方はもちろん、初めて見る方にも楽しんでもらえるよう、僕も倉持さんも心して毎回作っています。「これまでの作品を観ていないから」と敬遠せず、ぜひ足をお運びください。りゅーとぴあの劇場でお待ちしています。

(取材・文/本間千英子  撮影/増森健)

 

 

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三宅 弘城 HIROKI Miyake

1988年より「劇団健康」(現:ナイロン100℃)に参加し、主要メンバーとして活躍。M&Oplays『鎌塚氏』シリーズで主演。映画、ドラマにも幅広く出演している。器械体操とボクシングで培われた身体能力で、アクションシーンも得意。また、パンクコントバンド「グループ魂」では“石鹸”の名でドラムを担当。2005年にはNHK「紅白歌合戦」に出場した。15年のNHK連続テレビ小説『あさが来た』に番頭・亀助役でレギュラー出演し、全国的な人気を博す。近年の主な出演作に舞台『江戸時代の思い出』、『少女都市からの呼び声』、『しびれ雲』、ドラマ『サ道』シリーズ、『監察医 朝顔2025新春スペシャル』、『不適切にもほどがある!』、映画『静かなるドン2』、『室町無頼』など。どんな役でも確かな存在感を放つ俳優として演出家や監督、共演者、スタッフからの信頼も厚い。

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