『Le Fils 息子』に贈るメッセージ【本間千英子さん】
岡本圭人さんを取材してくださったライターの本間千英子さんから、作品へのメッセージをいただきました。
情報誌「月刊キャレル」 2021年8月号 岡本圭人さんのインタビューをしてくださったライターの本間千英子さんから、作品へのメッセージをいただきました!
取材のときから「脚本を読んでラストに涙した」「家族を持つすべての人に見てほしい」と熱く語ってくれた本間さん。以来、9/29-30の上演をずっと楽しみにしてくださっています。
ご自身の母としての立場から作品に寄せてくださった温かいメッセージ、ぜひご覧ください。
本間千英子さんのメッセージ
岡本圭人さんへのインタビュー前に脚本を読みました。大人でも子どもでもない、中途半端な時期に感じる焦燥や孤独、割り切れない感情と、それにどう対処していいのか分からない親の苦しみが、行間からひしひしと伝わってきました。10代の息子を持つ母として、胸が痛くなるセリフが多々ありました。
親も子も、お互いを思いやり、幸せを願っているのに、すれ違ってしまう。この作品は親子の間に必ず存在する普遍的なテーマを、簡潔に、スリリングに描き出しています。
インタビューでの圭人さんは、こちらの質問に真剣に耳を傾け、ご自身の言葉で誠実に語られていました。脚本を読み込み、「息子」役として生きようとする真摯な姿勢が印象的でした。大変な努力家であり、真面目な方だなあと感じました。
繊細で複雑な「息子」役だけでなく、息子をなんとか救おうともがく「父」の役も非常に難しい。圭人さんの実の父である俳優の岡本健一さんが、舞台上でどんな「父」として「息子」に向き合うのかにも期待しています。
脚本を読んだだけでも、さまざまな葛藤の果てに、父と息子が迎える美しく、哀切なラストシーンに泣きました。今、まさに思春期の10代から、親世代、祖父母世代まで、感情を強く揺さぶられる素晴らしい作品。国内外の優れたスタッフ・キャストが創り出す『Le Fils 息子』の世界を、新潟で鑑賞するのが本当に楽しみです。
本間千英子