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めでたい!

演劇企画課のKさんにお話しを聞きました。

―― よろしくお願いします。

Kさん よろしくお願いします。今日はとても“おめでたい”公演のご紹介をさせていただきます。

―― どんな公演ですか?

Kさん 9/16(土)に行われる茂山狂言です。京都の狂言師一家・茂山千五郎家の「襲名」を記念した特別公演になります。十四世・茂山千五郎、五世・茂山千作という代々の名前を受け継ぎます。

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―― 歌舞伎の襲名だと口上が有名ですが、狂言はどんな感じになるのでしょうか。

Kさん 狂言や能の襲名公演では口上はなくて、「ここぞ」という特別な演目が披露されます。

―― 茂山狂言を知らない方に、茂山狂言とは何か簡単に教えてもらえますか?あと、チラシに書いてある、この「お豆腐狂言」という言葉。

Kさん 茂山家は江戸時代から続く狂言の名門です。…というと、なんだか怖そうですが、茂山家の狂言の特徴は、とにかく「やわらかくて、わかりやすい」! 家訓がズバリ「お豆腐狂言」なんです。

―― ふむふむ。

Kさん 昔、狂言が特別な階層の人々だけのものだった時代に、茂山家は気軽に狂言を楽しんでもらうために様々な場所に出向いて狂言を演じ続けたそうです。地蔵盆とか、結婚式とか、お祝いの会とか。

その結果、「茂山の狂言はどこの食卓にも上がるお豆腐や」と言われたそうです。

それを、当時の二世・千作(新・千作さんの曾お祖父様ですね)は逆手に取りました。「お豆腐で結構。それ自体高価でも上等でもないが、味つけによっては、高級な味にも庶民の味にもなる。お豆腐のようにどんな所でも喜んでいただける狂言を演じればよい」と。

以来、茂山家ではこれを家訓として、いつの世も誰からも広く愛される飽きのこない、味わい深い「お豆腐狂言」を広めています。

―― 素敵な話しですね。さて、演目について教えてください。まずは新千作さんが演じる「福の神」から。

Kさん 福の神が現れて、幸せになる秘訣を伝授して大笑いして去って行くという内容で、もうこれでもかというおめでたさ。観る人の心を朗らかに楽しくさせてくれる、縁起の良い狂言です。

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福の神

―― 新千五郎さんが演じる「花子」は。

Kさん ある男が奥さんの目を盗んで何とか遊女に会いに行こうと画策する、なんともしょうもない話です(笑)。奥さんの手のひらの上で右往左往する男の姿がおかしい狂言なのですが、実は「極重習(ごくおもならい)」と呼ばれる最高難易の大曲(たいきょく)です。

「セリフ・謡・舞」という、狂言を演じる上で必要な技術力が試される狂言で、襲名披露のような特別の時に演じられる作品です。りゅーとぴあの能楽堂では初上演となります。当主となり、さらに風格を増した新千五郎さんの舞台をご期待ください。

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花子

―― 「狐塚」は。

Kさん 太郎冠者と主人のドタバタの「ザ・狂言」です。こちらはもう気楽に楽しんでいただけると思います。

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狐塚

―― 狂言の前には解説もあるのですよね。

Kさん 茂山家一門の皆さんの解説は、お話もおもしろくて毎回好評です。今回の解説は、ドラマ出演などでもおなじみの茂山逸平さんです。

―― 最後に、HPをご覧の方に一言お願いします。

Kさん ぜひ襲名を一緒にお祝いをしていただき、やわらかな「お豆腐狂言」を味わっていただければと思います。

―― 見るだけで、なんだかおめでたいことが起きそうな公演ですね。Kさん、ありがとうございました。

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