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「5台ピアノの世界」連載コラム~5台ピアノのCDができるまで①~

《序》

その始まりは5年前に遡る。

りゅーとぴあ室内楽シリーズ「5台ピアノの世界」は、2019年に第1回公演を開催。
私は当時まだ学生だったため公演に関わっていなかったが、この公演が誕生するまでには様々な道のりがあったと当時のプロデューサーから聞いている。ホールにとってもピアニストにとっても前代未聞の挑戦であったので一筋縄ではいかないのは想像に難くない。
試行錯誤の末に誕生したこのコンサートのチケットは完売。再演の声がたくさん上がり、3年後の2022年にもう一度開催することに。

その時、ちょうど私はりゅーとぴあに入社し、先輩職員から「5台ピアノの世界」の制作を引き継ぐことになった。
1年目にして5台ピアノの制作担当は正直大変だった。本番までは目の前のタスクをこなすのに精一杯で、本番中も舞台転換を担当していたので、客席の様子を直には感じることはできなかった。
そんなこんなで終わった第2回公演も完売。満席のお客様で埋められた会場の熱気は舞台裏にも伝わってきた。

新潟公演の後は三重公演も控えていたので、私は三重まで演奏を聴きに行った。ようやくそこで初めて5台ピアノの演奏をじっくり聞くことができた。
圧倒的な5台のピアノの存在感。そして5人のピアニストが結集して構築される一糸乱れぬアンサンブル。
それはオーケストラをも凌駕するほどの凄まじい響きをもって私に迫ってきた。公演後、しばらく放心状態となっていたが、出演者と関係者との打ち上げに参加し、これまでを振り返る中で、アーティストとホールが共同でおこなうコンサート制作の醍醐味を感じた。そして、この企画をなんとか形として残せないかと考えるようになった。

CDをつくればこの衝撃をより多くの人と共有できるのではないか、そしてコンサートに来たことがある人は追体験できるのではないか。

そんな想いからこの前代未聞のプロジェクト「5台ピアノのCD制作」は始動した…。

《つづく》

 

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