Duo KaKaoがゲスト奏者と合わせをおこないました!
りゅーとぴあ音楽アウトリーチ事業 第5期登録アーティスト連続リサイタル 「Duo KaKaoピアノ・リサイタル」を12月8日(日)スタジオAで開催します。
Duo KaKaoは、新潟市を拠点に活動するピアノの坂井加納・クラリネットの林佳保里によるユニット。音楽アウトリーチ事業の登録アーティストとして、今年は新潟市内の小学校計9校を訪問し、生の演奏を届けてきました。今回のリサイタルでは、チェリストの西谷牧人さんをお迎えして、ベートーヴェンとブラームスの三重奏曲をお届けします。西谷さんは元東京交響楽団首席奏者で、人気弦楽合奏団「石田組」のメンバーとしても活躍されている都内在住のチェリストです。
11月18日(月)、西谷さんに新潟までお越しいただき、リサイタルに向けた合わせ練習を行いました。Duo KaKaoと西谷さんはこれが初めましてとなるので、まずは軽く自己紹介するところからスタート。「緊張する!」とガチガチだったDuo KaKaoも、実際に顔を合わせてみたらリラックスした様子でした。
合わせ練習では本番の配置ではなく、お互いを見合って演奏できるようにセッティング。3人で合わせられる時間は限られています。1分たりとも無駄にしないように、ベートーヴェン「街の歌」から通していきます。
当時のベートーヴェンの作風などを確認し合いながら、細やかなニュアンスを統一し、丁寧にアンサンブルを磨いていきます。全国各地で活躍される西谷さんの演奏を自らの身体で吸収するようにDuo KaKaoも全集中です。
爽やかな「街の歌」とは裏腹に、ブラームスが晩年に作曲したクラリネット三重奏曲は、濃密で、わびさびの美が感じられるような作品。この2つの作品を演奏するには全く異なる演奏態度が求められます。小学校訪問で2年間ブラームスと向き合ってきたDuo KaKaoにとって、このリサイタルで披露する三重奏曲に込める想いはひと際強いものがあります。曲が持つ深い精神性と、練習と言えど熱のこもった第2楽章の演奏に、立ち会っていた私も息をするのを忘れてしまいそうになりました。
リサイタルまで約1週間。クラリネットの林さんは、リサイタルを目前にしながら、「自分の出したい音を追求するために奏法を変えてみた」と言いました。私はふと、2年前の第5期登録アーティストのオーディションのことを思い出しました。志望動機を訪ねた際に彼女たちはこのように答えました。「大人になっても、年齢関係なく変わり続ける、挑戦し続ける姿を小学生に見せたいから」と。Duo KaKaoは今まさに、進化しているのだと思います。リサイタルが終わっても挑戦は続きますが、一つの通過点、そして登録アーティスト2年間の任期の集大成として、Duo KaKaoの「今」を多くの人に聴いていただけましたら幸いです。