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終演しました!~第5期登録アーティスト連続リサイタル~

 

終演しました!~第5期登録アーティスト連続リサイタル~の画像

オーディションで選ばれ専門研修を受けた新潟在住のアーティストが、市内の小学校などで音楽の訪問コンサートを行う「りゅーとぴあ音楽アウトリーチ事業」。
2023年より活動を開始した第5期登録アーティストの小林浩子さん・Duo KaKaoの2組が、2年間の活動の集大成となるリサイタルを終えました。その様子をレポートします。

 

2024年12月7日(土)小林浩子ピアノ・リサイタル〈共演:白石光隆(ピアノ)〉

小林浩子さん(ピアノ)は、小学校訪問プログラムでショパンの曲をメインに取り組んできました。
リサイタルでは、ゲスト共演者としてピアニストの白石光隆さんをお招きし、ショパンの「ピアノ協奏曲 第1番(2台ピアノver.)」を披露しました。
前日は緊張でガチガチの様子でしたが、リハーサルで白石さんに「自由に弾いていいよ、合わせるから」とアドバイスをもらって臨んだ本番。落ち着いた表情を見せながら、演奏に没頭する小林さんの姿がありました。オーケストラさながらの響きで演奏する白石さんのピアノに包まれながら、自由に躍動する小林さんのピアノ。最後の1音を弾き終えた腕を下ろす前に会場からは自然と拍手が沸き起こりました。
アンコールに演奏したのは同じくショパンの作品から「別れの曲」。
2年間の活動に区切りをつけるとともに、新たなスタートを切ろうという小林さんの意志が感じられる演奏でした。

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リサイタルを終えて、小林浩子さんはこのように振り返ります。

「この事業に携わった2年間は本当に濃かったです。1人では難しいことでも、コーディネーターさんと一緒だから乗り切れたことがたくさんありました。今振り返ると、自分の音楽人生にとって最高のタイミングで第5期登録アーティストに選ばれたと思っています。リサイタルでは白石さんと共演したことで、アンサンブルは自分の感じていることを臆せず表現する方が、調和しやすいのだということを強く実感しました。本当に貴重な機会をいただきました。」

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2024年12月8日(日) Duo KaKao リサイタル〈共演:西谷牧人(チェロ)〉

Duo KaKao(ピアノ×クラリネット)は重厚なプログラムをもってリサイタルに臨みました。これまでに数多の演奏会に出演してきた2人ですが、ここまで勝負曲を詰め込んだプログラムに挑戦する機会はなかったと語ります。
ゲスト共演者の西谷牧人さん(チェロ)と綿密な最終確認をした上で臨んだ本番。メインはブラームス「クラリネット三重奏曲」です。音で語る西谷さんのチェロ、その呼吸を感じながら演奏に集中するDuo KaKaoの2人。その様子からは小学校訪問で2年間欠かさず演奏してきたブラームスの楽曲に対する情熱を感じました。
渾身の演奏を届けた3人には会場からは割れんばかりの拍手が贈られ、アンコールには「ホフマンの舟歌」を披露し、最後はしっとりと幕を閉じました。

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Duo KaKaoはこのように振り返ります。

「今回のリサイタル、そして登録アーティストの2年間での収穫は、『音楽家として、もう一歩先へ進むぞ』という決意を新たにできたことです。音楽はあまりにも奥深く、年齢とともに若い頃のようにはいかないことも増えてきた中で、「正直ここまでかな」と思ってしまう時もありました。Duo KaKaoとしての2年間の活動、そしてリサイタルに向けて音楽と真摯に向き合ったことは「私はまだまだ成長できる」という確かな手ごたえを与えてくれました。リサイタルではスタッフの皆様の多大な協力と客席の温かい雰囲気のおかげで、今持てる力を出し切ることはできたと思います。ですがまだまだ五合目。更なる高みを目指して、何をすればよいのかが浮き彫りになった本番でもありました。諦めることなく学び続けたいと思います!」(ピアノ 坂井加納)

「苦しい時期もありましたが、今は、『もう終わってしまったのかぁ』という想いでいます。この事業に関わる前は漠然と『このままで良いのだろうか…』と悩んでいましたが、いざオーディションに合格し、小学生の前に立つと、否が応でも自分と向き合わざるを得なくなる。その中で音楽家として自分がどうありたいのかを深く考えた2年間でした。これまでは自分のキャパシティを勝手に決めつけていましたが、この2年間はただひたすら自分が出したい音、したい演奏を追求し、挑戦し続けることができました。これからも終わりのない音楽の学びを続けていこうと思います。」(クラリネット 林佳保里)

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終演後のお客様アンケートにはこんな声がありました。

小学校訪問コンサートで、子どもが興味を持ち本日の公演に来ました。今まで、音楽に触れる機会はなかったですが、音楽に包まれとても心地良かったです。子どもも『とても良かった!』と感動していました。

小林浩子さんとDuo KaKaoの第5期登録アーティストとしての活動は、今回のリサイタルをもって終わりとなります。しかし、この2組のアーティストが小学校で蒔いた種は数年後、数十年後に美しい花を咲かせるのかもしれません。そんな未来への期待を感じさせる2年間となりました。

2025年度からは、第6期登録アーティストの活動が始まります!
今後のりゅーとぴあ音楽アウトリーチ事業にもご期待ください。

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