【シャンポーの森で眠る】日記 vol.6 父母役・インタビュー
こんにちは!「シャンポーの森で眠る」ボランティアスタッフの神田萌子です!
作品の見どころを知るには、やはり創っている皆さんに聞くのがイチバン。今回は、シルビネとランドリーの父親役・高橋 繁實さんと、母親役・長谷川芳子さんにインタビュー!
稽古場では、『お父さん』『お母さん』と呼び合うお二人。双子の息子のことをどう思っているかなどについて伺いました。それではさっそく覗き見タイムスタートです!
父親役・高橋 繁實さん(左)と母親役・長谷川芳子さん(右)。「ほらほらお父さん、寄って!」
一一 お気に入りのシーンはありますか?
長谷川さん 全部……なんだけど、呼吸のシーンとかかな。鬼火たちの活動が始まっていくシーンなんですけど、やっぱり気持ちがそこからふぅーっと入っていくところだなあって。どのシーンもそれぞれ面白いんだけど。あとは、胡桃の木のシーンとか……私は出ていないんだけどね、やりたい。演出家さんにも頼んだくらい。(笑)
高橋さん 一人ひとりの力が全体に結集していくので、そういうものを観てほしいですね。個々の動きがまとまって、一つの大きな力になっている。
一一 たしかに。どこというより、村や村人たちの個性豊かな情景全て、見どころではありますよね。お二人のお芝居を見て、とても味があるなと感じているのですが、お芝居の経験があるのでしょうか。
高橋さん 長谷川さんは、もう3回目だよね。
長谷川さん そう、初演(1998年「シャンポーの森で眠る」)から。
高橋さん 私は、2008年の「大いなる遺産」が初めてでした。あと、今は市民劇団に所属していますね。
一一 今回、お二人とも長台詞がありますが、どう挑んでいきますか。
高橋さん 台詞を覚えていかなきゃいけないのはまず当然のことだけど。今回の台詞を言う時って、実際に目の前に相手がいるわけじゃなくて。相手がいない状態で話すから、その場の空気感でまた台詞の言い方が違ってきたり。
長谷川さん 相手がいると、相手の気持ちが入ってくるから。だけど、一人で言うとそうもいかなくて。
高橋さん モノローグのような感じなんだけど、相手に向かって話しているように言うというか。相手は見えないんだけど。でも、相手が見えてこなくちゃいけないんだろうね。
長谷川さん 相手が見えていないと言えない台詞だからね。今日は、台詞の抜き稽古があって。笹部博司さん(りゅーとぴあ演劇部門芸術監督)に別の部屋で、台詞の練習をしてもらっていたんだけど……感じることがたくさんありましたね。普段の生活なら、思ったことをそのまま言えばいいんだけど、お芝居では、心の感情で言わなきゃならない。その気持ちになって、自然とその言葉が出てこなきゃならない。
一一 相手と直接絡んで言う台詞でないのは、男(シルビネ)の記憶の中に残っている言葉、だからでしょうね。お二人が演じるシルビネとランドリーの父親、母親は、どんな人柄ですか。
高橋さん 劇中で、自分の子どものことを見ているのではなく、子どもを見る世間の目を見ているんだと言われたりしている。だから、意外と子どもに対しては、冷ややかなんじゃないかな。格式の問題とか、世間体をものすごく気にする。それが自分にも及んでくることがこわい。反対に、母親は、子どもたちのことをもっと想っているよね。
長谷川さん そう、子どもたちのことを想ってる。かわいい息子たちなんだけれど、それぞれの性格があってね。愛しさもあるけど、でも迷信を信じて別々にさせてしまう。それがまた、思わぬことになってしまうんだけど……。
一一 息子たちを想うあまりに、幸せでいてほしくて別々にさせてしまったのでしょうか。ご自身にとって、この作品とはどんな作品ですか。
高橋さん 自分にとってはこの年齢でどこまでやれるのかという、挑戦の舞台、ですね。若い世代の人たちが多いカンパニーだから。実際は、頑張っていてもついていけていないんだけど。でも、想いだけはあるんです。
長谷川さん 私にとっては3回目なんですけど、観る人には、どんどん伝わりやすい舞台になっている気がします。現在と過去を行ったり来たりするんだけど、それがお客様には面白いと思っていただけるはず。毎回の稽古が楽しみ。段々と出来上がっていくんです。もう自分で思っているより動けなくなってしまったりしているから、とにかく休まないで参加して、その積み重ねで覚えていっています。宮川彬良さんの作った曲で、岡本おさみさんの書いた詞でやるのが本当に楽しい。
一一 ありがとうございました。宮川彬良さんの音楽は、「シャンポー」に欠かせないものの一つですよね。
さてさて、今日はここまで。次回の覗き見もお楽しみに!