クラシック音楽に情熱を注いできた団員たちが、集大成となるコンサートに挑む!
(左)大島拓己さん (右)石山奏恵さん
ーー 9月16日(日)新潟市ジュニアオーケストラ教室 第37回演奏会に出演する二人にお話しを伺います。まずはお名前と担当楽器を教えてください。
石山さん 石山奏恵(いしやまかなえ)高校2年生です。ヴィオラを演奏しています!
大島さん 大島拓己(おおしまたくみ)同じく、高校2年生です。トランペットを担当しています!
ーー ジュニアオーケストラ教室がどんな教室なのか、ご紹介いただけますか?
大島さん 新潟市ジュニアオーケストラ教室は、1980年から活動している新潟市の伝統ある青少年オーケストラで、小学4年生から高校3年生までの約110人で活動しています。
オーケストラにはたくさんの種類の楽器がありますが、ほぼ全ての楽器を初心者から学ぶことができ、さらに数年後にはオーケストラ曲を演奏できるようになります。
ーー 大島さんも楽器の初心者だった?
大島さん はい。私も石山さんも、ここで初めて楽器に触れました。今はB合奏という中高生中心のオーケストラで、交響曲やいろいろな管弦楽曲を練習しています。また演奏だけでなく、高校2年生が中心となって、オーケストラ活動に必要な役割を担っています。
ーー どんな役割があるんですか?
石山さん 私たち二人は「インスペクター」という役割で、団員のリーダーとして事務局やトレーナーと連絡調整をしたり、メンバーで行う活動のまとめ役をしています。みんな違う学校で、部活や塾や習い事等もあり、忙しい人が多いのですが、効率よく練習できるよう出欠を事前に確認することがとても大切です。
「インスペクター」の他にどのような役割があるかというと、舞台でイスや譜面台の配置・調整を行う「セッティング」、演奏する楽譜の管理を行う「ライブラリアン」などがあり、高校2年生メンバーはそれぞれの役割を果たしてジュニアオーケストラの活動を支えています。
ーー 入団のきっかけを教えてください。
大島さん 小学校4年生の時に、両親に薦められて入団しました。トランペットを選んだ理由は単純で、「オーケストラで唯一知っていた楽器」だったからです。まったくの素人でも基礎から教えていただける新潟市ジュニアオーケストラ教室だからこそ、今、B合奏で本格的なオーケストラ曲を演奏できるまでになれました。
石山さん 私は、知り合いがジュニアオーケストラに入っていて、その演奏会を聴きに行ったのが入団のきっかけです。オーケストラのサウンドの迫力に圧倒され、私もオーケストラで演奏したい!と思いました。現在はヴィオラを弾いていますが、初めはヴァイオリンでの入団だったんです。大島さんと同じく私も初心者での入団でしたが、先生が楽器の持ち方から教えてくださいました。
ーー 小学生で始めて、高校2年生まで続けるのは大変だったと思います。やってこれた理由は?
大島さん 学校行事と部活動の両立、受験などもあったので、ジュニアオーケストラの練習参加が難しくなった時期もありました。でも、オーケストラの一員として演奏する楽しさを感じたり、また先輩や仲間の支えがあったので、頑張って乗り越えられました。現在はインスペクターの仕事に誇りを持って取り組み、毎週楽しく活動しています。
石山さん 大島さんのお話しにも出てきましたが、「友だち」の存在があったから続けられたと思います。勉強との両立で大変なこともありましたが、友だち同士励まし合って練習に取り組み、本番で演奏したあとに感じる達成感を分かち合えることは、何より嬉しいと感じます。練習すればどんどん弾けるようになっていく楽しい感覚も後押ししてくれました。
ーー オーケストラの楽しさ・魅力ってどんなところでしょう。
大島さん オーケストラは、みんなで一つの曲を作り上げるところが魅力です。ソロ演奏とは違う雰囲気を味わうことができて、みんなで演奏することで感じる一体感はとても心地のよいものです。
石山さん オーケストラは演奏者だけでもたくさんの人が関わっているので、大勢の人たちと繋がれることに魅力を感じます。大島さんが言った通り、私もオーケストラで演奏する時の一体感は大好きです。協力していい演奏をしよう!という繋がりを感じます。
それと、オーケストラではたくさんの楽器が使われるので、いろんな音色がします。小鳥のようなさわやかな音、キラキラした音、哀愁ある音、地響きのような音、音の玉手箱みたいで大好きです。
ーー さて、ジュニアオーケストラ教室 第37回演奏会について教えてください。
大島さん ジュニアオーケストラ教室は年間3回の演奏会を行っています。3月に合唱団、邦楽合奏教室と一緒に出演する「スプリング・コンサート」、12月の「クリスマス・コンサート」、そして9月に開催する第37回演奏会はジュニアオーケストラ教室だけで約2時間たっぷりと演奏するので、もっとも気合が入るコンサートです。開場中にはB合奏メンバーによるロビーコンサートも行います。
ーー 聴きどころを教えてください。
石山さん 私たちB合奏は、2曲演奏します。まずは「ペール・ギュント第1組曲・第2組曲」です。物語を計8つの音楽で表現しており、テレビなどでも耳馴染みの旋律が度々登場します。通常「ペール・ギュント第1組曲・第2組曲」を楽譜どおり演奏しますと、本来の物語の流れとは違った曲順になっていまが、今回の演奏会では8つの音楽を物語に沿った曲順に組変えて演奏します。それぞれ違う個性をもった曲の数々を聴き比べてお楽しみください。
大島さん 続いてメインプログラムとしてお贈りするのは、ストラヴィンスキー作曲のバレエ音楽「火の鳥(1919年版)」です。ストラヴィンスキーの「春の祭典」「ペトルーシュカ」に続く三大バレエの一つで、楽器の特殊奏法や変拍子、不協和音がたくさん登場する難曲です。精密なアンサンブルが要求されますので、この8月も休まず頑張って練習に取り組んでいます。クライマックスではすべての楽器が持てる力を全て注ぎ込んで力強いサウンドを響かせます。
B合奏の演奏の前には、小中学生中心で編成されたA合奏の演奏もあります。元気いっぱいのアンサンブルもどうぞお楽しみください!
ーー 最後に、HPをご覧の皆さんにメッセージをお願いします。
大島さん 今回の演奏会でB合奏が演奏する「ペール・ギュント」「火の鳥」は、どちらも物語がある音楽です。お客様にその物語の雰囲気が伝わり、また曲の持つ個性をうまく表現できるよう、想いを込めて演奏したいと思います。演奏会のチケットは現在発売中です。多くの方のご来場を心からお待ちしています。
石山さん 今回演奏する曲は、私の中では今までで一番難しい曲です。みんなで頑張って練習しています。私たちの練習の成果をぜひ聴きにきてください。りゅーとぴあでお待ちしています!!