就任記念！第5代専属オルガニスト・濵野芳純（はまのかすみ）インタビュー
この4月から「りゅーとぴあ第5代専属オルガニスト」に就任した濵野芳純（はまの・かすみ）さん。
就任記念となるオルガン・リサイタルが7月20日（土）に開催されます！
ヨーロッパでの留学を終え帰国したばかりの濵野さんは、新潟を拠点にオルガニストとしての活動の幅を広げています。
これまでの経験や、専属オルガニストとしての今後の抱負をたっぷり語っていただきました。
ー オルガンとの出会いは関西学院大学時代とのこと。濵野さんにとってのオルガンの魅力を教えてください。
3〜4歳からピアノを習っていて、ピアニストは目指していなかったのですが、大学はミッション系でパイプオルガンがあり、ピアノ経験者はオルガンレッスンが受けられる環境でした。オルガンを教わった恩師にも影響を受け、どんどんオルガンに魅了されていきました。
オルガンは、両手足を使って本当にいろいろな音色を出すことができます。またオルガンによって、音や個性がまったく違うので、初めて行った場所のオルガンを弾くときには、この楽器はどのような音がするのだろうと、毎回ワクワクします。
ー ヨーロッパでの留学時代で印象に残っているエピソードは？
大学4年生の後半には卒業に必要な単位を取り終え、オランダの音楽院へ留学しました。そこで4年間在学し、さらに1年間教会での演奏などで技術を磨き、もう1年フランスの音楽院で学びました。
印象的なのはヨーロッパの教会の空気感です。クリスチャンではないのですが、一歩足を踏み入れた瞬間に長い歴史を感じ、身が引き締まる思いがしました。そして教会は残響が長く、オルガンの音色がより厳かに響き渡っていたのが忘れられません。
また住んでいたアムステルダムは市内から空港が近く、ヨーロッパの色々な国に行きました。特によかったのは、スペインのモンセラート（Montserrat）という山の崖にある修道院です。そこから見た夕日は今でも焼き付いています。
ー 新潟に移住されて半年。新潟の印象はいかがですか？
やっぱりお米が美味しいです！そして住み始めて最初の頃に「のっぺ」もご馳走になりましたが、とても美味しかったです。
新潟の人は温かい方が多いなと感じます。りゅーとぴあスタッフの方と、高田のお花見や糸魚川のヒスイ探しなどに連れて行ってもらいました！
まだまだ知らない場所、名物などたくさんあると思いますので、教えていただきたいです。
ー いよいよりゅーとぴあでの初リサイタルですね。どんなプログラムを演奏されますか？
りゅーとぴあ専属オルガニストとして、新潟のみなさんにオルガンを知ってほしい、好きになってほしいという思いでいます。今回のリサイタルでは、あまり馴染みがないオルガンのよさを知っていただきたく、本格的なオルガン曲のプログラムを組みました。
ー プログラムの中でも注目の曲は？
セザール・フランクで、まずクラシックファンなら思いつくのが、あの美しいヴァイオリンソナタではないでしょうか。ただフランクは生粋のオルガニストであり、彼のオルガン曲はJS バッハと並び称されるほどの傑作ぞろいです。この機会にぜひフランクの荘厳で表情豊かなオルガン曲にハマってみてください。
モーリス・デュリュフレは、２０世紀の作曲家でオルガニストにとっては非常に重要な作曲家です。なんといっても、彼のオルガン曲の色彩感は、唯一無二のものです。20世紀にようやくオルガンも電気化が進み、鍵盤がかなり軽くなりました。（それまでの古いオルガンは、かなり鍵盤が重いです…）それによって、より技巧的な曲が多くなっていき、例にもれず、デュリュフレの作品もかなりピアニスティックな動きを要求されます。本番では、ぜひ手の動きにも注目してみてください。
ー りゅーとぴあのグレンツィング・オルガンの特徴や魅力は？
第一印象は「大きいな！」でした。得意とするフランスのオルガン曲を演奏できるストップ（音色）を備えているので、多彩な表現を楽しんでいただけるオルガンだと思います。
ー 最後に新潟のみなさんにメッセージをお願いします！
新潟に、こんなに立派なオルガンがあるんだということを誇りに感じていただけるよう、演奏機会を増やし、新潟のみなさんに親しんでいただく活動をしていきます。さまざまなアプローチでクラシックファンだけでなく多くの方に楽しんでいただきたいので、ぜひりゅーとぴあコンサートホールに会いに来てください！
