『紀ノ川』
イベント内容について
有吉佐和子没後30周年記念企画として、代表作の「紀ノ川」を司葉子の出演でお贈りします。
日本文学の名作を、名女優のひとり語りとして贈る、新潟りゅーとぴあ発の “物語の女たち” シリーズは、世代を越えて広く愛される物語の数々から、女性に焦点をあて、演じる者と観る者が一体となってその一生を体験する朗読劇です。昨年よりはじまったこのシリーズの第7弾となるのは、小説家有吉佐和子の没後30年を記念し、作品「紀ノ川」を司葉子の出演でお贈りします。
40数年の時を経て、司葉子と花が再会する
「紀ノ川」は和歌山を舞台に、素封家の女性3代、明治生まれの花に始まり、娘の文緒、孫で戦後世代の華子まで、明治・大正・昭和を生きていく様を描いた物語である。
すべてを包含して流れていく紀ノ川。本作の司葉子にはそのような川になってもらいたいと思う。
その川がいわば日本である。
さまざまな矛盾や葛藤、反撥を包含しながら、それでも堂々と流れていく川、日本はむしろそうあるべきであると有吉佐和子は語りたかった。そして司葉子にはその代弁者になってほしいと思っている。
物語の中心は、花である。
映画「紀ノ川」で司葉子は花を演じ、第40回キネマ旬報賞主演女優賞・第9回ブルーリボン賞主演女優賞・第22回毎日映画コンクール主演女優賞・日本映画記者会賞最優秀女優賞など、その年の7つの演技賞を独占したのは1966年で、今から48年前である。その花に司葉子が再会する。
笹部博司(りゅーとぴあ演劇部門芸術監督)
司 葉子(つかさようこ)
1954年共立女子短大卒業後、大阪の新日本放送(現・毎日放送)に勤務。同年、『家庭よみうり』の表紙を飾ったのがきっかけでスカウトされ東宝と契約。映画『君死に給うことなかれ』でデビュー。66年、映画『紀ノ川』で第40回キネマ旬報賞主演女優賞、第9回ブルーリボン主演女優賞など、その年の演技賞を独占した。69年、元衆議院議員の相沢英之氏と結婚。99年、日本大正村の村長に就任。映画、テレビ、舞台などで幅広く活躍している。12年には第37回菊田一夫演劇賞特別賞を受賞。主な映画出演作品『社長』シリーズ(56年~70年・東宝)、『秋日和』(60年・松竹 小津安二郎監督)、『用心棒』(61年・東宝 黒澤明監督)、『紀ノ川』(66年・松竹 中村登監督)、『乱れ雲』(67年・東宝 成瀬巳喜男監督)、『女王蜂』(78年・東宝 市川昆監督)
原作:有吉 佐和子「紀ノ川」(新潮文庫)より
上演台本:笹部博司(りゅーとぴあ演劇部門芸術監督)
演出:大場正昭
企画:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
制作:アーティストジャパン
原作 有吉 佐和子(ありよしさわこ)
1931年和歌山県生まれ。小説家、劇作家、演出家。東京女子大短大卒。56年「地唄」が芥川賞候補となる。現代社会問題にも深く切り込んだ幅広いテーマを題材にベストセラー小説を多数発表した。代表作に出身地でもある紀州を舞台にした三部作『紀ノ川』、『有田川』、『日高川』のほか、外科医の妻と母親の確執を描いた『華岡青洲の妻』、いち早く老年問題を扱った『恍惚の人』、新聞連載小説として大きな反響のあった『複合汚染』など。84年没(享年53歳)。2014年は没後30周年の記念の年にあたる。
演出 大場 正昭(おおばまさあき)
1950年生まれ。早稲田大学卒業。劇団新派文芸部。日本演劇協会会員。新派での演出は、川口松太郎、北條秀司作品など多数。また久保田万太郎作品を連続上演している「みつわ会」の演出でも評価を得ている。歌舞伎では、大佛次郎・作『たぬき』、菊池寛・作『恩讐の彼方に』、山本周五郎・作『泥棒と若殿』『ゆうれい貸屋』、宇野信夫・作『神田ばやし』、井上ひさし・作『東慶寺花だより』など、新歌舞伎や新作などの演出に携わっている。
公演スケジュール
新潟公演
2014年5月9日(金)・10日(土)14:00開演(開場13:30)
りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・能楽堂(新潟県新潟市中央区一番堀通町3-2)
主催 公益財団法人 新潟市民芸術文化振興財団/N S T
東京公演
2014年4月17日(木)14:00開演(開場13:30)
亀戸文化センター カメリアホール(東京都江東区亀戸2-19-1 カメリアプラザ)
全席指定 一般3,800円 ティアラ友の会3,400円
主催 アーティストジャパン
2014年9月2日(火) 三越劇場
鳥取公演
2014年11月20日(水)
米子市文化ホール
兵庫公演
2015年3月29日(日)
兵庫県立芸術文化センター
お問い合わせ
-