『未練の幽霊と怪物』公演中止のお知らせ

新型コロナウィルス感染拡大の影響により、『未練の幽霊と怪物』公演をやむなく中止することといたしました。
（KAAT神奈川芸術劇場 ほか、ツアー全公演が中止となります。）

公演を楽しみにされていた皆様には大変ご迷惑をお掛けし、心よりお詫び申し上げます。何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

2020年の日本を射抜く、岡田利規版「夢幻能」

作・演出　岡田利規
音楽監督・演奏　内橋和久

出演　森山未來、片桐はいり、栗原類、石橋静河、太田信吾／七尾旅人（謡手）

劇作家・演出家、チェルフィッチュ主宰の岡田利規が日本最古の舞台芸術「能」の構造をかりて創造する本作。能の中でも『無幻能』と呼ばれる形式の舞台には、さまざまな思いや願いを果たせないまま亡くなり成仏できずにいる幽霊が「シテ（主人公）」として登場します。彼らが思いを遂げられなかった理由の多くは社会的・政治的な問題に起因します。

建築家のザハ・ハディドをシテとする『挫波（ザハ）』、高速増殖炉もんじゅをシテとする『敦賀（もんじゅ）』。本公演ではこの二つの新作を、狂言に倣った幕間劇を挟み上演します。2020年初夏。オリンピック開幕直前の日本に、岡田が問いかけるものはー。

岡田利規より

社会とその歴史は、その犠牲者としての未練の幽霊と怪物を、ひっきりなしに生み出して来て、今だって生み出し続けています。
わたしたちはそれら幽霊や怪物のことを見ないこと忘れてしまうことを、その気になればできちゃうし、そのほうが快適な向きは確かにある。
でもそれらに、つまり直視しないこと忘却することに、抗うために、能という演劇形式が持つ構造を借りて、音楽劇を上演します。

(C)Kikuko Usuyama

岡田利規　プロフィール

（演劇作家／小説家／チェルフィッチュ主宰）

1973年横浜生まれ、熊本在住。従来の演劇の概念を覆すとみなされ国内外で注目される。『三月の5日間』で第49回岸田國士戯曲賞を受賞。小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』で第2回大江健三郎賞を受賞。16年よりドイツ有数の公立劇場ミュンヘン・カンマーシュピーレのレパートリー作品の作・演出を4シーズンにわたって務めた。18年より『プラータナー：憑依のポートレート』をバンコク、パリ、東京にて上演。同作で第27回読売演劇大賞 選考委員特別賞を受賞。

ツアー情報

神奈川公演

6月3日（水）～24日（水）
KAAT神奈川芸術劇場　大スタジオ
主催：KAAT神奈川芸術劇場

豊橋公演

6月27日（土）13時、28日（日）13時
穂の国とよはし芸術劇場ＰＬＡＴ 主ホール
主催：公益財団法人豊橋文化振興財団

兵庫公演

7月4日（土）12時／17時、5日（日）13時
兵庫県立芸術文化センター　阪急 中ホール
主催：兵庫県、兵庫県立芸術文化センター