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京都の“お豆腐狂言”が登場！

京都・茂山千五郎家の狂言が待望の登場です。その親しみやすさから「お豆腐狂言」と表現されます。
肩の凝らないおおらかな笑いをお楽しみください。
やわらかくて楽しい「お豆腐狂言」は、一度体験したらやみつきのおいしさです！

お話：茂山茂
狂言：昆布売　　大名　茂山宗彦
　　　　　　　　昆布売　茂山千五郎
狂言：因幡堂　　男　茂山逸平
　　　　　　　　妻　鈴木実
狂言：縄綯　　　太郎冠者　茂山千五郎
　　　　　　　　主人　山下守之
　　　　　　　　何某　茂山茂

「お豆腐狂言」とは？　

狂言が一部の特別な階層の人々だけのものであった時代に、二世茂山千作は様々な場所に出向いては狂言を演じ続けました。そのなかで、「豆腐自体高価でも上等でもないが、味つけによって高級な味にもなれば、庶民の味にもなる。お豆腐のようにどんな所でも喜んでいただける狂言を演じればよい。より美味しいお豆腐になるように努力すればよい」と二世千作は言っています。茂山家ではこれを家訓とし、広く愛される「お豆腐狂言」を広めています。

撮影：上杉遥

あらすじ

狂言【昆布売】こぶうり

供の者を連れずに、自ら太刀を持って出かけた大名。誰かに太刀を持たせようと休んでいると、小浜の昆布売りが通りかかりました。大名は昆布売りを脅して、無理やり太刀を持たせます。しかし大名の横柄な態度に我慢出来なくなった昆布売りは、持たされた太刀で大名を脅し、腰の小刀も奪います。さらに大名に平家節・小歌節・踊り節とメロディを変えながら昆布を売らせると、大名もだんだん浮かれてきて…。

撮影：川西善樹

狂言【因幡堂】いなばどう

大酒飲みの妻と離縁したい男。妻が実家に帰っている間に離縁状を妻に送りつけ、新たな妻を得るために因幡堂の薬師に妻乞いに行きます。それを聞いた妻は大激怒。薬師になりすまし、因幡堂にこもっている夫に「西門に立った女を妻にせよ」と告げ、夫より先回りして衣を被って待ちかまえます。男はそんなこととはつゆ知らず、新しい妻を得たと喜んで連れ帰りますが…。

撮影：川西善樹

狂言【縄綯】なわない

博奕(ばくち)に大負けした主人が、太郎冠者を借金のかたにとられます。博奕相手の何某(なにがし)のもとへ向かった太郎冠者、真相を知ってつむじを曲げ、命じられた仕事を全くやろうとしません。怒った何某は主人に文句をつけ、主人は一旦太郎冠者を帰宅させて本当の働きぶりを見せることにします。太郎冠者は大喜びで帰宅し、主人に命じられるままに縄を綯いながら、喜々として何某の家の悪口をしゃべります。太郎冠者は主人が何某に入れ替わるのにも気づかず…。

撮影：川西善樹

出演者

茂山千五郎（しげやま　せんごろう）
1972年生まれ。五世茂山千作の長男。茂山千五郎家の十四世当主。

茂山宗彦（しげやま　もとひこ）
1975年生まれ。茂山七五三の長男。

茂山茂（しげやま　しげる）
1975年生まれ。五世茂山千作の次男。

茂山逸平（しげやま　いっぺい）
1979年生まれ。茂山七五三の次男。

鈴木実（すずき　みのる）
1978年生まれ。茂山七五三に師事。

山下守之（やました　もりゆき）
1976年生まれ。五世茂山千作に師事。