甘く切ない音色。ブラームスの美の精緻を描き出す、渾身のアンサンブル。

出演

Duo KaKao
坂井加納（ピアノ）
林佳保里（クラリネット）

西谷牧人（チェロ）

曲目

M.レーガー：ロマンス ト長調
C.サン=サーンス：クラリネット・ソナタ 変ホ長調 Op.167
R.シューマン：幻想小曲集 Op.73
L.v.ベートーヴェン：ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調 「街の歌」Op.11 *
J.ブラームス：クラリネット三重奏曲イ短調 Op.114 *
*…西谷牧人（チェロ）共演

リサイタルに寄せて

アウトリーチ登録アーティストとして過ごした日々は、私の人生で五指に入る濃さでした。小学生の心に届く音楽プログラムを追求することは、デュオとしての在り方や音楽性を深く考えることでもありました。私たち二人だからこそ表現できる音楽を追い求める中で、室内楽演奏に対する考え方や奏法も、ずいぶん変化したように感じています。40代を迎え音楽家生活の折り返し地点にある私たちが、アウトリーチで子供たちに伝えようと選んだテーマは「成長」 と 「扉」。まだまだこれから!という意気込みを我ながら感じます（笑）。そして今回のリサイタルで演奏するのは、リサイタルだからこそ挑戦できるプログラム。チェロ奏者の西谷牧人さんをお迎えしてお届けします。魂の響き合う演奏を聴きに、ぜひお越しください。

坂井加納

2年間のアウトリーチ登録アーティストとして、集大成ともいえるリサイタルを迎えることになりました。演奏家として二人共に、一回りも二回りも成長させていただきました。今まであまりないデュオとしての登録アーティスト。個々を見つめ、デュオとしての形を追求した2年間。時には二人で作り上げることの難しさもありました。しかし徐々に広がる可能性を感じ、デュオだから出来ることがある、そう強く思えるようになりま した。もともとアンサンブルが大好きな私たち。この2年間で見えるものも変わり、その楽しさがより一層増したように思います。今回のゲストであるチェリストの西谷牧人さんの胸を借り、またさらに多彩なアンサンブルをお届けしたいと思います。まだまだこれからも進化を続ける私たちの演奏をぜひお聴きください。

林佳保里

Duo KaKao　（クラリネット×ピアノ）

ピアノの坂井加納、クラリネットの林佳保里によるユニット。演奏や子育てを通して意気投合し、2013年頃より共演を重ねる。第5期登録アーティスト任命を機に命名されたユニット名の由来は、二人の名前の組み合わせから。個々の奏者、人として様々な経験をしてきた二人が手を取ることで、更なる成長と深みのある味わいをお見せしたいという願いが込められている。

坂井加納　Kana Sakai（ピアノ）

東京音楽大学ピアノ演奏家コース卒業、 イタリア国立音楽院「B.マルチェッロ」ピアノ専攻修了。ひびき音楽教室、まんまるミュージック代表。北区少年少女合唱団講師。にいがたミュージックバンクメンバー。

林佳保里　Kahori Hayashi（クラリネット）

共立女子大学文芸学部芸術学科卒業、桐朋学園大学オーケストラアカデミー修了。北区ジュニア吹奏楽団、ドリーム音楽院各講師。トリオ・アンシュミネ、まんまるミュージック、にいがたミュージックバンク、新潟セントラルフィルハーモニー管弦楽団各メンバー。

西谷牧人　Makito Nishiya （チェロ）

奈良県出身。東京藝術大学及び同大学院、米国インディアナ大学を修了。兵庫芸術文化センター管弦楽団、東京交響楽団首席チェロ奏者、東京藝術大学非常勤講師を歴任。2013年度青山音楽賞受賞。これまでに河野文昭、堤剛、ヤーノシュ・シュタルケルの各氏に師事。オーケストラ、室内楽、ソロの活動を始め、大谷康子弦楽四重奏団、東京グランドソロイスツ、 霧島国際音楽祭、テレビ朝日「題名のない音楽会」など多数出演。ジャンルを超えて多岐にわたる演奏活動を行なっている。自作自演弦楽ユニット「清水西谷」、弦楽アンサンブル「石田組」、トリオ・ジャパン、ハルカストリングス各メンバー。2024年より愛知県立芸術大学准教授を務めている。

りゅーとぴあ音楽アウトリーチ事業

アウトリーチという言葉は、「手を差し伸べる」「伸ばした距離」という意味です。芸術分野においては、「芸術の喜びや楽しさをまだ知らない人に、それを伝えていく活動」　のことを、アウトリーチと呼んでいます。『りゅーとぴあアウトリーチ事業』では、オーディションで選ばれた新潟ゆかりの音楽家と一緒に特別プログラムを考え、市内の小学校を訪問して、生の音楽を間近で聴く喜びをお届けしています。
2013年度から始まった登録アーティスト制度は、現在5期目となりました。 登録アーティストの活動は1期2年間で、小学校でのアウトリーチ・コンサートを中心に、2024年3月に開催した「ジョイント・コンサート」（新潟市音楽文化会館）を経て、活動の締めくくりとしてこの「リサイタル」が設けられています。

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