引きこもりは外に出たほうがいいのか…？
人気劇団ハイバイがビターテイストな名作でりゅーとぴあ初登場！

向田邦子賞、岸田國士戯曲賞を相次いで受賞、韓国・イギリス・アメリカなど各国で戯曲が紹介されるなど、その才能が高く評価されている劇作家・演出家の岩井秀人。岩井が主宰し、作・演出をつとめる注目の劇団ハイバイが、2012年にパルコプロデュースで上演した「ヒッキ―・ソトニデテミターノ」でりゅーとぴあに初登場します。舞台・映像で忘れがたい印象を残す岩井秀人と、古舘寛治の共演にご期待ください。

作・演出：岩井秀人
出演：岩井秀人　平原テツ　田村健太郎　チャン・リーメイ　能島瑞穂　高橋周平　藤谷理子　猪股俊明　/　古舘寛治

古舘寛治

岩井秀人　（撮影：平岩享）

岩井秀人より

僕自身が引きこもっていた頃のことを題材にした『ヒッキー・カンクーントルネード』は、2003年に上演した後、全国で再演を重ねてきました。再演というのは不思議なもので、やればやるほど「自分のものではなくなる」のです。当然、初演時には自分の思いしかありませんが、再演をしていくと、観客達の思いや過去が絡まっていき、やがて「あ、もう自分の話でさえないのかもしれない」と思いいたるのです。
そして10年近く経った頃、続編となる今作『ヒッキー・ソトニデテミターノ』が書かれました。物語としては続編ではありますが、僕の中ではずいぶんな心変わりがありました。僕の中で結論の出ている、または受け取られ方をコントロールするための演劇としての『カンクーン』から、僕自身もまだ分からない違和感や問題を、観客と一緒に考えようという姿勢のもとに、『ソトニデテミターノ』は作られました。
初演では吹越満さんによって演じられた登美男を、今回は僕が演じます。いつもは演出をする僕が舞台上にいる訳ですから、俄然、客観性は損なわれる訳です。つまりもう、きちんとした演劇という形かどうかも定かではなくなったものを、こんなよくわからない時代には、出してみてもよかろうと思っている訳です。俳優もスタッフも、盤石の布陣が集まりましたので、これにてみんなと一緒に、演劇ってなんだったっけ、生きるってなんだったっけ、みたいなことになれたらいいなと思います。

ハイバイ　プロフィール

全国公演スケジュール

2018年2月9日（金）～22日（木）　東京芸術劇場
2018年2月25日（日）　りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
2018年3月3日（土）～4日（日）　三重県文化会館
2018年3月8日（木）～10日（土）　アイホール